大槻昌幸歯科医師
大河原典果歯科医師
―ホワイトニングは歯を白くするだけではなくて、予防歯科の効果もあるというお話を聞きました。そのあたりをもっと詳しく教えてもらってもいいでしょうか。
大槻先生:ちょっと専門的になりますけど、たとえば多くのホームホワイトニングの薬剤は過酸化尿素が主成分なんですね。過酸化尿素っていうのは、もともと米国で歯周病の治療薬として使われてきました。今でも米国では歯周病の治療薬として使われています。歯周病治療をしていたら、たまたま患者さんたちの歯が白くなっているのに気づいて、ホワイトニングの効果が発見されたようです。歯周病の治療薬の成分を使っているわけですから、当然、歯周病に効果なかったら困りますよね(笑)
― へ〜、そうなんですか。面白いですね、全然知りませんでした。
大槻先生:過酸化尿素っていうのは、口の中で唾液によって尿素と過酸化水素に分解するんです。過酸化水素は、実は口の中を消毒するオキシドールという薬剤と同じものなんですね。それが口の中でできてくるわけですから、当然、洗浄効果もあるわけです。
大河原先生:つけ加えると、ホワイトニングをして歯がきれいになると、着色とか変色の色素が取り除かれるわけですから、歯の表面にほんの小さい、微細な隙間ができるんです。その隙間に歯を強くする効果のあるフッ化物を塗布すると非常に取り込まれやすくて、酸に対する歯の耐性が上がる、という研究論文も発表されています。
―ホワイトニングには、歯を白くするだけじゃなくて、歯の健康面にもいろんないい効果があるんですね。
大槻先生:はい。ただ、今お話ししたのは歯科医院で施術するホワイトエッセンスの医療ホワイトニングの場合です。いわゆるスポーツジムやエステで行われているセルフホワイトニングはぜんぜん違うので注意が必要です。どう違うかと言うと、先ほどお話した過酸化尿素や過酸化水素という薬剤は、法令で歯科医院でしか使えないことになっています。なので、セルフホワイトニングでは大抵ポリリン酸ナトリウムなどの成分が使われています。これは表面の汚れはある程度取れるのですが、あくまで市販の歯磨きペーストにも使われているような成分で、歯の中まで浸透している着色は取ることができません。もちろん、歯科医院で歯科衛生士が行うプロフェッショナルケアに比べると予防歯科効果もそんなに期待できません。
―そうなんですね、一般の方々はそんな区別はついてないと思うので要注意ですね。
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歯科医師
大河原典果
1997年新潟大学歯学部卒業後、獨協医科大学医学部口腔外科学講座入局。2001年ホワイトエッセンスに勤務し、臨床現場での診療と並行して歯のホワイトニングや歯のクリーニングといった各施術のマニュアル・教育研修に参与。ホワイトエッセンスの次世代ホワイトニング材研究開発担当者として、フリーラジカル研究者や共同研究先の各大学の先生方の協力を得てオフィスホワイトニング材(ホワイトエッセンスホワイトニング プロ)の開発および認可取得に携わる。
著書:リピート化するホワイトニング・クリーニング

歯科医師
大槻昌幸
1988年東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了後、東京医科歯科大学歯学部歯科保存学第一講座入局。東京医科歯科大学大学院准教授、松本歯科大学客員教授を歴任する一方、一般社団法人日本審美歯科学会理事長、一般社団法人日本レーザー歯学会常務理事、一般社団法人日本接着歯学会代議員なども務める。現在はホワイトエッセンス特別監修医師として、世界に通用する漂白効果の実現、及びさらなる漂白効果を得るための製品研究に携わる。
著書:患者さんが安心・納得する医療ホワイトニング説明BOOK こう聞かれたら、こう答える
ホワイトニング NEW GENERATION 他