歯科医院でホワイトニングの説明を受ける際、「A3からA1を目指しましょう」といった記号を目にして、どういう意味なのか分からず困った経験はありませんか。
この記事を読めば、ホワイトニングシェードガイドの正しい見方がわかり、ご自身の現在の歯の色と、ホワイトニングで到達可能な目標レベルを「シェードガイドの記号」を用いて客観的に判断できるようになります。
ホワイトニングシェードガイドとは、歯の白さのレベルを客観的に判断するための「色見本」のことです。
人工の歯が明るい色から暗い色まで段階的に並んでおり、ご自身の歯と見比べることで、現在の歯の色がどのレベルにあるのか、また目標とする白さがどの程度なのかを術者と患者の間で正確に共有できます。
このシェードガイドの正しい見方と使い方を理解することが、ホワイトニング計画の第一歩です。

シェードガイドは、歯の色を「色の系統(色相)」と「色の濃さ・明るさ(明度)」の2つの要素で分類しています。
世界で最も広く使われているドイツのVITA(ビタ)社製の「VITAクラシカルシェードガイド」を例に、その基本的な見方と使い方を解説します。このガイドは、アルファベットと数字の組み合わせで歯の色を16段階で表現しており、明るい順番に並べ替えて使用されることもあります。
シェードガイドのアルファベットは、歯が持つ基本的な色味の系統を表しています。主に以下の4種類に分類され、日本人にはA系統の赤茶系の歯が多いとされています。
この系統を正しく見極めることが、自然な白さを目指す上で重要です。色の系統はシェードガイドを順番に見比べることで判断します。
1〜4の数字が示す「色の濃さ・明るさ」
シェードガイドの数字は、色の濃さ、つまり明るさの度合いを示しています。数字が「1」に近いほど明るく、数字が「4」に近づくにつれて色が濃くなります。例えば、A系統であればA1が最も明るく、A4が最も暗い色です。
ホワイトニングでは、この数字をどれだけ小さくできるかが一つの指標となります。一般的には、B1、A1、B2というように、明るさの順番に並べ替えて色の変化を確認します。
ホワイトニングは、選択する方法によって到達できる歯の明るさが大きく異なります。
セルフホワイトニングや市販の歯磨き粉を用いるケアは、表面の汚れを落とすことが目的のため、日本人の平均的な色味であるA3あたりが限界です。一方で、歯科医院での医療ホワイトニングは、歯の内部にある黄ばみを分解できるため、A1以上の明るさや、ブリーチシェード(010から040)まで引き上げることが可能です。
ホワイトエッセンスのデータでは、約95%の方がA1以上の白さを求めており、さらに7割以上の方がブリーチシェードの「040」を希望されています。目標とする白さに合わせて適切な方法を選びましょう。
ホワイトニング歯磨き粉やサロンでのセルフケアは、歯の表面に付いた着色汚れを落とすことが主な目的です。そのため、歯が本来持っている色以上に白くすることはできません。
一般的な日本人の歯の色は、シェードガイドで「A3」程度とされています。セルフケアによる効果の限界は、この平均的な状態から少し明るくなる範囲に留まります。
ご自身の歯を「真っ白」と勘違いしてセルフケアを選んでしまう方も多いですが、歯の内部に蓄積した黄ばみまでは解消できません。表面の汚れをリセットし、自然な平均値まで戻したい場合には有効な選択肢です。

歯の内部にある色素を分解し、本来の色以上に白くするためには、歯科医院で提供される医療ホワイトニングが必要です。
歯科医師や歯科衛生士が扱う専門の薬剤を用いる「オフィスホワイトニング」や、ご自宅で行う「ホームホワイトニング」を組み合わせることで、A1以上の明るさや、さらにその先の「ブリーチシェード」と呼ばれる、陶器のような白さの歯を目指すことも可能です。

ホワイトニングで理想の白さを手に入れるためには、歯の色を判定するシェードガイドの正しい見方と使い方を知ることが大切です。色の確認方法には、専門家が目で見て判断する目視と、専用の機器を用いるデジタルの2パターンがあります。
目視による確認は一般的ですが、どうしても術者の主観やその日の体調、さらには色彩感覚による誤差が生じる可能性があります。また、診療室の照明や見る角度といった外部環境にも左右されやすく、客観的な評価が難しいという側面があります。
歯の色は、見る場所の照明によって大きく見え方が異なります。例えば、自然光の下で見たときと、歯科医院の診療ユニットのライトの下で見たときでは、色の印象が変わることがあります。
また、歯を見る角度によっても光の反射が変わり、白さが違って見えるため、施術前後で比較する際には、常に同じ環境・条件で見ることが正確な見方の基本です。
色をどのように認識するかは、人によって微妙に異なります。同じシェードガイドを見ても、術者の経験やその日の体調、色彩感覚によって「A2」と判断するか「B2」と判断するかに差が出ることがあります。
このような主観的な要素が評価に入り込むため、患者が感じている白さのレベルと術者の判断にズレが生じやすくなります。
ホワイトエッセンスが実施した調査では、「施術前は通常の照明で、施術後だけ明るいライトを点灯して確認された」という不満の声が寄せられています。
このように、施術の前後でシェード確認の条件が異なると、正確な比較ができず、効果を正しく評価することができません。これが、患者が「白くなった」という実感を得にくい大きな原因の一つです。
自分の歯の色を正確に把握し、ホワイトニングの効果を客観的に評価するためには、自己判断や目視だけに頼るのではなく、専門的な機器を用いた歯科医院での診断が欠かせません。
光の加減や主観に左右されない、データに基づいた診断を受けることで、納得のいくホワイトニング計画を立てることが可能になります。
ホワイトエッセンスでは、従来の目視による確認の課題を解決するため、独自開発した高精度デジタルシェード測定器「WEシェード」を導入しています。
この機器は、分光光度計を搭載し、診療室の照明など環境光の影響を受けずに歯の色を測定できます。測定結果は数値や画像として記録されるため、施術前後の変化を客観的に比較し、納得しながらホワイトニングを進めることが可能です。
ホワイトニングの詳細はこちらホワイトニングシェードガイドは、歯の色を客観的に評価するための重要な「ものさし」です。その見方を正しく理解することで、ご自身の歯の現状を把握し、ホワイトニングの目標設定を明確にできます。
しかし、目視による確認には限界があり、照明や個人の主観によって判断がぶれやすいことも事実です。より正確で客観的な診断を求めるなら、専門の機器を備えた歯科医院での測定が不可欠です。
ホワイトエッセンスでは、デジタル測定器による客観的な診断と、豊富な実績に基づいた最適なプランで、あなたの理想の白さをサポートします。
一般的なVITA社製シェードガイドに「S」の記号はありません。しかし、松風など一部の国内メーカーが製造するシェードガイドには、ホワイトニング後の特に白い歯を示すために「S」や「W」といった記号が用いられることがあります。
はい、使用します。セラミックの被せ物や詰め物の色を決定する際には、周囲の天然歯の色と自然に調和させることが重要です。
そのため、ホワイトニング時と同じシェードガイドを使い、最も近い色合いのセラミックを選ぶのが一般的な使い方です。
シェードガイドは歯科医療用の専門器材のため、一般の方が購入するのは困難です。また、正確な色の判定には専門的な知識や適切な環境が必要となります。
最も確実な使い方は、歯科医院を受診し、専門家である歯科医師や歯科衛生士に確認してもらうことです。

歯科医師
大槻昌幸
1988年東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了後、東京医科歯科大学歯学部歯科保存学第一講座入局。東京医科歯科大学大学院准教授、松本歯科大学客員教授を歴任する一方、一般社団法人日本審美歯科学会理事長、一般社団法人日本レーザー歯学会常務理事、一般社団法人日本接着歯学会代議員なども務める。現在はホワイトエッセンス特別監修医師として、世界に通用する漂白効果の実現、及びさらなる漂白効果を得るための製品研究に携わる。
著書:患者さんが安心・納得する医療ホワイトニング説明BOOK こう聞かれたら、こう答える
ホワイトニング NEW GENERATION 他

歯科医師
大河原典果
1997年新潟大学歯学部卒業後、獨協医科大学医学部口腔外科学講座入局。2001年ホワイトエッセンスに勤務し、臨床現場での診療と並行して歯のホワイトニングや歯のクリーニングといった各施術のマニュアル・教育研修に参与。ホワイトエッセンスの次世代ホワイトニング材研究開発担当者として、フリーラジカル研究者や共同研究先の各大学の先生方の協力を得てオフィスホワイトニング材(ホワイトエッセンスホワイトニング プロ)の開発および認可取得に携わる。
著書:リピート化するホワイトニング・クリーニング